第16回 種が、悩みの種。

入れ歯をお使いのみなさんのさまざまな疑問に、歯科医がお答えします。

第16回 種が、悩みの種。

入れ歯での食事にもやっと慣れてきた今日この頃ですが、目下の悩みは細かなものが歯と歯ぐきの間に挟まること。ゴマとか、お煎餅のカケラとか、あと意外な伏兵がトマトの種。噛んだ瞬間「うっ!」と跳び上がるほど痛かったりして。でもこれ、入れ歯使用者の宿命と思って諦めるべきでしょうか?

(下関市 Y Mさん) 

もちろん、あきらめる必要はまったくありません。細かなものがデンチャー(入れ歯)と歯ぐきの間に挟まるのは、入れ歯が微妙に動いて隙間ができるから。その隙間を埋めれば解決する場合もあります。デンチャーにクリームタイプの安定剤を少量付けて、装着してから軽く噛んで、1分ほど待ってください。クリームが薄く広く伸びて、デンチャーを歯ぐきにピッタリと密着させてくれますから、細かなものが挟まりにくくなるんです。トマトだってお煎餅だって、お好きなだけ楽しんでください。

(歯学部教授 村田比呂司)